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Un programma di
ブラックホールの顔写真
05 September 2019

あなたの部屋のクローゼットやベッドの下にかくれているわけではありませんが、怪物(かいぶつ)って宇宙にいるんです。そんな宇宙の怪物の顔写真を、天文学者たちが初めてとることができました。怪物とはつまり、ブラックホールのことです。

ブラックホールはくらやみの中でじっと、惑星(わくせい)や恒星(こうせい)が近づいてくるのをまっています。そしてその時がやってくると、惑星や恒星はブラックホールの晩ごはんになってしまうのです!ブラックホールは不思議な天体で、大きな恒星が死んで、ものすごく小さな空間におしつぶされたときに生まれます。ブラックホールの重力はとても強くて、光でさえもあんまり近づくと飲みこまれてしまします。

世界中からあつまった天文学者のグループが、むずかしいミッションにのりだしました。だれもとったことがないもっともむずかしい顔写真をとることです。この天文学者のチームは、ブラックホールの写真をとって世界の人に見てもらおうとしたのです。

このミッションのために、世界中のたくさんの望遠鏡がいっせいにブラックホールを観察しました。 たくさんの目がこのターゲットに向けられたのです。これらの望遠鏡はみんなまとめて「イベント・ホライズン・テレスコープ」とよばれています。その先はなにも見えないという、ブラックホールの地平面を撮影しようというのです

そしてごらんの通り!2019年4月に、M87という名前の銀河のまん中にあるこのブラックホールの影(かげ)の写真が発表されました。このブラックホールは天の川銀河の中心にあるブラックホールの1000倍もの大きさです。

ブラックホールはほんとにきみょうな天体なので、その強い重力がゆがんだ鏡のようなはたらきをするため、光は進む方向を曲げられてしまいます。ブラックホールに近づきすぎるとほとんどの光はすいこまれてしまいますが、すいこまれずに曲がったりねじれたりして外へとんでいく光もあります。この写真には、黒いまん中の部分(ブラックホールの影)とそのまわりで光っている輪のようなものがうつっています。望遠鏡の名前にもなっている、光さえもそこからはぬけ出すことができない「事象の地平面(イベント・ホライゾン)」は、この光の輪のもっと内側にあります。光も出てこれないので写真にもうつらず黒くなってしまいます。

Image credit: The Event Horizon Telescope (EHT) collaboration

This text is based on a story by Dr. Hara Papathanassiou.

この記事はHara Papathanassiou博士の報道発表によります。

国立天文台による日本語サイトあり

https://www.nao.ac.jp/news/science/2019/20190410-eht.html

イベント・ホライゾン・テレスコープ・ジャパンによる日本語サイトあり

https://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/c/pr/pr20190410

知っ得ダネ

「イベント・ホライゾン・テレスコープ」プロジェクトとして、ブラックホールの写真をとるために、地上8カ所の電波望遠鏡で同時に集めたデータはあまりにも多くて、インターネットで送ることができませんでした。そこでこれらのデータを磁気テープに保存して専用の大型の飛行機で毎週スーパーコンピューターまで運び、そこでデータを分析(ぶんせき)した結果、できた写真なのです。

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