これまでの100年間、天文学者は私たちのお隣の銀河(大マゼラン雲ですが)までの正確な距離をはっきり決めようとしてきました。広大な宇宙で距離を決めるのはすごく慎重にしないといけません。巻き尺を持って宇宙旅行をするわけにも行かないし、定規もすっごく長くしないといけません。でも、天文学者は光を使って距離を測るちょっとした工夫をしました。
大マゼラン雲では、距離を測るために、お互いがひと組になって回る星を観察することで測定されました。これらの星を「連星系」といっていますが、こんな絵で想像して下さい。地球から見ると、定期的にひとつの星の前を別の星が通り過ぎて見えます。そのたびに、星の明るさは減少します。すごく慎重に明るさの変化を調べることで、その星の大きさや、どんな材料でできているか、どれほどの距離にあるのかという、あらゆる情報を天文学者は引き出します。
この技術で、私たちは以前にもまして正確な距離を測定しました。実に、16.3万光年の距離なんです。あなたが物理法則を無視して、私たちの知っている最も速い光の速さで旅すると、16.3万年かかってその星に到着することができるのです。マゼラン雲までの正確な距離を測ることはすごく大切なことです。銀河の中にある星までの距離がわかれば、もっと遠い銀河までの距離を測ることができます。
宇宙の大きさを測るには「標準ロウソク」というものを使います。明るさがわかっている天体を使います。もし、大マゼラン雲の中の「標準ロウソク」までの距離がわかれば、もっと遠い距離をも計算することができます。より遠い天体はよりぼんやりと見えるからです。だけど、大マゼラン雲でも使われたそのつながりは正確にしようとすればするほど弱いつながりなんです。大マゼラン雲までの正確な距離を知っている現在、宇宙のさらなる遠い銀河までの距離を正確に測定することができるのです。
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この記事は ESO Press からの引用です。
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