宇宙は、果てしなく大きく空っぽな空間です。太陽系に最も近い星から来る光は、私たちの目に届くまでに真っ暗な空っぽの空間を4.2年もかかって来なければなりません。光は宇宙で一番速いものであり、私たちは宇宙の中でもとても星があつまったところに住んでいるのですけれど。このような何もないと思われる宇宙にもかかわらず、互いに衝突している銀河はかなり普通に見られる光景です。そんな衝突のひとつが、この画像の中に見つかります。この写真はNGC 6240といって、2つの大きな衝突している銀河を囲んでいる熱いガスでできた巨大な雲です。
この写真で見られる2つの大きな渦状銀河は、わたしたちの銀河(天の川銀河)と同じ大きさと形をしています。両方の銀河はそれらの中心で超巨大なブラックホールを隠していると思われていて、こうしている間にもそれらのブラックホールは、螺旋(らせん)を描いて互いに向かっています。そして結局、だんだん一緒になって、将来より大きなブラックホールになると思われます。
この玉突き衝突のもう一つの結果は、星のベビーブームが2億年以上続いて何百万もの新星が誕生しました!これは激しい衝突が原因でした。そして、この衝突はあちこちの銀河でガスをかき混ぜました。ベビーブームは、太陽より非常に巨大な多くの恒星の誕生を引き起こしました。これらはその後強力な超新星爆発でその命を終え、その材料を巨大なガス雲に送り込みました。この画像で見られることができる熱いガスの『ハロー(後光)』がそれです。そして、100億個の太陽を作るのに十分な星の材料が含まれます!
知っ得ダネ
ところで、将来、NGC 6240はどうなるでしょう?たぶん、2つの渦状銀河は、ある日、巨大な楕円銀河をつくります。この種の銀河は、例えばわたしたちの銀河にあるものすごいらせん腕のようなはっきりとした構造を持たず、丸くて不格好な小さい塊となります。
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