私たちの太陽系は今、ものすごく遠いところからやって来たお客さんをむかえているところです。そのお客さんとは、太陽系外のほかの恒星の周りをまわっていた恒星間天体(こうせいかんてんたい)ボリソフ彗星(すいせい)です。じつのところ、それがどこからやってきたのかわかりません。これは私たちのいる銀河系の中の、別の惑星系からやって来た天体で、今までに観測されたのはこれがまだ2つ目です。
彗星は岩、チリ、氷でできているので「よごれた雪玉」と呼ばれることもあります。彗星が太陽に近づきすぎると、熱によって氷の一部がとかされます。このために、彗星が空を横切るときに見えるあの美しいしっぽができるのです。
この写真はハッブル宇宙望遠鏡が2019年10月12日にとらえた恒星間天体ボリソフ彗星のすがたです。 この彗星は太陽に向かってとびつづけ12月にもっとも太陽に近づきます。年があけると、私たちの太陽系からまたとびだしていきます。いつか遠い未来に、また別の太陽系外惑星系の中にはいっていくのでしょう。
今この彗星は時速15万Kmで進んでいます。これはなんとレーシングカーの500倍ものはやさです!
この記事はESA/ハッブルの報道発表によります。
写真提供:NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA)
知っ得ダネ
彗星が空を横切っていくのを、望遠鏡を使わずに目で直接見えるのは、だいたい年に1つくらいしかありません。もしあなたがラッキーなら、今までに一度見たことがあるかもしれませんね。この写真はその時の彗星ににていませんか。
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