太陽フレアって聞いたことありますか?太陽などの恒星(こうせい)の表面でとつ然起こる大ばく発のことで、何十億個もの粒子(りゅうし)が宇宙に向かってふき飛ばされます。
しし座の恒星で起こった太陽フレアよりもっと大きいスーパーフレアを、岡山県に建てられた新しい「せいめい望遠鏡」が観測しました。太陽でスーパーフレアが起こった時に、地球上の生命や電子機器にどのようなえいきょうがあるかを、もっとよく理解するためです。スーパーフレアのような大きなばく発が、太陽でも起こるかもしれないからです。
地球が危ない?!
太陽でフレアとよばれるばく発が起こると、電気を帯びた粒子が地球に届きます。そのおかげで北極や南極で美しいオーロラが見られます。その一方で、電波通信がじゃまされたり、発電所や衛星が故障したりする恐れもあります。めったにないことですが、とても大きなスーパーフレアが起きると、地球でかなり大きなひ害を受けるかもしれません。
だから天文学者は、ほかの恒星でのスーパーフレアを研究しながら、太陽を見守っているのです。太陽から届く電気を帯びた粒子のことや、万が一太陽でスーパーフレアが起こった時に粒子がどれだけ危険なのかを、しっかり知っておきたいからです。
たくさんのフレア
スーパーフレアはめったに起こらないため、太陽を観測し、スーパーフレアを待っているだけでは、十分なデータと知識を集めることができません。ですから天文学者は、太陽系の外で、大きさも中心の恒星からのきょりも地球と似ているわく星をさがすのです。そして、そのわく星が回っている恒星で起こるスーパーフレアを観測するのです。
「せいめい望遠鏡」は、地球から16光年はなれた赤く小さな恒星(専門的には「せきしょくわいせい」といいます)で、スーパーフレアを、1回どころか、12回も観測しました。この赤い恒星はその表面でばく発を起こしているらしく、太陽フレアと比べながら研究するのにぴったりです。
もっと見守りますね
この12回のスーパーフレアを調べることで、天文学者は太陽フレアの粒子のふるまいや、ばく発のエネルギーについてよりくわしく知ることができました。このようなばく発を調べ続けることで、将来太陽でスーパーフレアが起る時をより良く予測したり、うまくいけば地球が受けるひ害を防げたりすることをめざしています。今のところ、天文学者はスーパーフレアについてもっと学ぶために、太陽系外でこのようなものすごいばく発を観測し続けることでしょう。
画像提供:国立天文台
知っ得ダネ
太陽フレアの大きさは、だいたいいつも地球の何十倍にもなります。今回赤く小さな恒星で観測されたスーパーフレアのひとつは、太陽フレアの20倍もの大きさでした。
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