天文学者だけでなくだれもが、宇宙のどこかに生命があるのかどうかを知りたがっています。今日、ドキドキする発見が発表されました。それは、おとなりの惑星(わくせい)に生命のしるしがあるかもしれないことをほのめかしています。
特別な分子(原子の集まり)
今日、天文学者の国際チームは、金星の雲の中にめずらしいリン化水素(ホスフィンともいい、リンと水素による無機化合物)分子という物質を発見したと発表しました。
リン化水素のワクワクする発見は、生命の存在を期待させます。
地球上では、この分子はふつう、酸素がない環境での生活を好む目には見えない特別な生き物である微(び)生物によって作られるのです。地球上のほとんどの生物は生き残るためには酸素を必要とするので、この分子はあまりみられません。
天文学者たちは、金星の高い高度の雲のなかでなら微生物が生き残れるのではないかと考えてきました。これらの雲の中では、微生物は金星の高温の表面から遠くはなれています。
とはいっても、金星の高い高度の雲は30℃程度の快適な温度ですが、それらは非常に酸性であり、そこで生きようとする微生物にとってはたいへん居心地が悪いのです。
将来の共同研究と探査
この分子は、ハワイのジェームス・クラーク・マックスウェル望遠鏡によって最初に発見されました。このおどろくべき発見は、チリのアタカマ高地にあるALMA望遠鏡によって確認されました。これらはどちらも電波望遠鏡です。
共同研究チームは、見つかった量のリン化水素は生命体の活動以外の原因では説明がつかないくらいの多い量だったことを示し、今回の発見は重要であるとしています。ただし、金星での生命の発見を確認するには、さらに多くの作業が必要であることもわかっています。今後さらに多くの研究が、そして願わくばドキドキするような発見があるといいですね。
国立天文台による日本語サイトあり(https://www.nao.ac.jp/news/science/2020/20200915-alma.html)
画像提供:ESO / M.コーンメッサー / L.カルサダ と NASA / JPL / Caltech
知っ得ダネ
金星は夜空で最も明るい天体の1つです。ただし、日の出の直前は東の空に「明けの明星」として、または日の入り直後は西の空に「宵(よい)の明星」として見ることができます。
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