今いる部屋の中をグルッと見回してみてください。たぶん部屋の中にはいろいろな物があって、いろいろな色や材料でできていることでしょう。でもそれらの品物のすべては、元素というものからできているのです。しかし元素の中の何種類かは、宇宙でつくられるときに、ほかの元素にくらべてたくさんの材料が必要で、非常にはげしい出来事(大きなエネルギー)も必要だったのです。
みなさんは元素の名前のいくつかはもう知っていますよね。たとえば、金、酸素、銅などとね。ほとんどの元素は星の内部でだけつくられます。その後、星の爆発(ばくはつ)によってそれらは宇宙に放り出され、新しい星をつくったり、新しい元素をつくるための材料として使われます。新しく生まれる星たちにとっては、星をつくる材料がどんどん増えていくのです。
今回、天文学者たちは、2つの中性子星が衝突(しょうとつ)しているところで、とても重い元素がつくられているのを、ついに発見しました。中性子星とは、巨大な星がその一生の終わりとして爆発したあとに残った、とっても堅(かた)くて、とっても密度の高いコア(芯/しん)のことです。
元素が重いという意味は、その中にたくさんの陽子があるということで、元素をつくるものの1つが陽子です。最近、宇宙で発見された特に重い元素はストロンチウムとして知られているもので、ここ地球では花火の中に使われたりしています。
今回の発見でわかったことは、宇宙では、より重い元素は中性子星の衝突のような、とってもはげしい現象によってつくられることがあるということです。そしてこの発見によって、いろいろな種類の元素はいったいどこで作られてきたのかという大きなナゾを解くヒントが見つかったのです。
画像提供: ESO/L. Calçada/M. Kornmesser
知っ得ダネ
元素は全部で118種類しかありません。ということは、部屋の中にあるものすべて、そして地球上のあらゆる見えるものは、さまざまな種類の元素の組みあわせによってできた結果なのです。全てのものはたった118種の元素によってつくられるのです! 宇宙にある天体も同じようにつくられています。おそらく宇宙には、知られていない別の元素があることでしょう。でも今のところ天文学者にはおよそ118の元素しかわかっていません。
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